長崎の教会 (楽学ブックス) epubダウンロード
長崎の教会 (楽学ブックス)
本, 吉田 さらさ
によって 吉田 さらさ
4.2 5つ星のうち 5 人の読者
ファイルサイズ : 19.58 MB
内容紹介 ■美しい教会と聖地を、歴史を織り交ぜながらグラフィックに紹介16世紀に、宣教師フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝えて以来、長崎でキリスト教は繁栄しました。しかし、禁教令の発布後、キリシタンたちは弾圧され、潜伏し、そして復活します。司祭がいない状態で伝承された信仰は、正式なカトリックとは異なる「かくれキリシタン」として独自のキリシタン文化を築きあげました。複雑な歴史の中で、信徒たちが造り上げた「祈りの場」はどのようなところか。本書では、平戸、長崎、外海、五島で、信徒たちが心を込めて造り上げた、美しい教会と聖地を、歴史を織り交ぜながら、グラフィックに紹介しています。■主な内容第1章キリスト教伝来の地 平戸・生月・黒島平戸ザビエル記念教会、宝亀教会堂、紐差教会ほか第2章キリスト教栄枯盛衰の地 長崎・外海・島原・天草大浦天主堂、日本二十六人聖人記念聖堂 聖フィリッポ教会、浦上天主堂ほか第3章キリシタンの苦難と安住の地 五島堂崎教会、水ノ浦教会、淵ノ元キリシタン墓地ほか合計約40件の教会や聖地に加え、教会でのマナーや宣教師紹介、美術鑑賞のポイントなども充実。長崎で教会見学をする際には是非持っていきたい一冊です。 著者について 【吉田さらさ】寺と神社の旅研究家。早稲田大学第一文学部卒。著書に『京都 仏像をめぐる旅』『お江戸寺町散歩』(集英社be文庫) 『近江若狭の仏像』『石仏・石の神を旅する』(ともにJTBパブリッシング)『お地蔵さまのことば』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。「仏像散歩」「ノジュール」などにも寄稿。早稲田大学エクステンションセンターなどで講師も務める。寺町を目的に長崎市を訪れた際に教会の美しさに心打たれ、昨今では、五島の教会をテーマにしたツアー案内などもしている。【飯田裕子】日本大学芸術学部写真学科卒業・在学中に三木淳氏に 師事。風土に根ざした人間の営みやものづくり、普遍的文化 を国内外で取材撮影し、雑誌や写真展で発表する。特に、フィジーをはじめ太平洋の島々との関わりが深くライフワークとしている。写真展に「Fare Pacifica」「Bula! Fiji」ニコンサロン、フジフイルムフォトサロン、など。著書に「フィジーの魔法」など。太平洋の島々の撮影の折に教会到来の来歴や植民地化の中での文化的融合を体感。そして近年では、長崎の教会を撮影しながら、深い信仰の姿と文化のかたちに胸を打たれた。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 吉田/さらさ 寺と神社の旅研究家。早稲田大学第一文学部卒。早稲田大学エクステンションセンターなどで講師も務める 飯田/裕子 日本大学芸術学部写真学科卒業・在学中に三木淳氏に師事。風土に根ざした人間の営みやものづくり、普遍的文化を国内外で取材撮影し、雑誌や写真展で発表する。特に、フィジーをはじめ太平洋の島々との関わりが深くライフワークとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ファイル名 : 長崎の教会-楽学ブックス.pdf
以下は、長崎の教会 (楽学ブックス)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
「美しく可愛らしい建物を見て、心癒される人が多いと思いますが、もっと大切なのは、キリシタンがたどってきた悲しみと喜びの歴史です。長崎を旅する方々には、昔、この地に教会を建てた人々の心にも思いを馳せていただきたいと、願ってやみません」(長崎純心大学片岡留美子学長)。2015年は、1865年にフランスからやってきた神父の前に浦上村の女性が進み出て、250年間密かに信仰を守り続けていた日本のキリシタンたちが「発見」された年から150年にあたるという。もともとこの地には、徳川家光の時代に活動していたバスチャンという宣教師の「今から数えて7代後に司祭が黒船でやってきてそれ以後は毎週でも告悔をすることができるようになる」という予言が伝えられていたのだという。世界遺産登録が有力視されている長崎の教会群とキリスト教関連遺産を紹介した本。130ページに満たない本で、オールカラー。写真が豊富に掲載されており、長崎各地の個性的で素敵な教会の数々や遺跡に魅せられる。壮大な白亜に美しい花柄模様が映える紐差教会(平戸市)。鉄川与助の最後で最高傑作といわれるレンガ造りの田平天主堂(平戸市田平町)。フランス人のマルマン神父の指導で作られた黒島天主堂(佐世保市黒島)。国内現存最古の大浦天主堂(長崎市)。かつて踏み絵が行われていた庄屋の家の跡地に建てられたという浦上天主堂(長崎市)。フランス出身のド・ロ神父が私財をなげうって作った出津教会堂(長崎市)。住民たちが30年以上も資金を積み立てて作った赤レンガ作りの黒崎教会(長崎市)。ゴシック様式でリブ・ヴォールト天井の堂崎教会(五島市福江島)。「白い貴婦人」と称えられる優美な木造の水ノ浦教会(五島市福江島)。文化財として大切に守られている五島最古の旧五輪教会堂(五島市久賀島)。完成まで9年を要したという花の装飾が愛らしい石造りの頭ヶ島天主堂(南松浦郡頭ヶ島)。多くの教会や遺跡が写真と解説によって次々紹介されている。中には17戸しかない集落であったのに人々が力を合わせて作ったものもある。個性的なものが多くヨーロッパの教会とはところどころ異なった個性があり、とても美しい。博物館や殉教の地についても紹介されている。しかし、この本は単なる観光案内の本ではない。中世以降のキリシタン弾圧とその犠牲になった人々や事件に各所でスポットを当てている。また、250年間もの間に人々が潜伏して信仰を守り続けられた理由として、特に浦上・外海・五島列島では「帳方」「水方(触頭)」「聞役」という役割と組織がきちんとしていたことが挙げられている。外国人居留地に教会が建てられ大政奉還が行われた1867年になっても「浦上4番崩れ」と呼ぶ大規模な弾圧があったというのは知らなかった。1868年にも「五島崩れ」という痛ましい弾圧がある。明治新政府が正式にキリスト教禁制を撤廃したのは明治6年(1873年)になってからである。日本にやってきた代表的な宣教師たちの献身的な活動や、当時の信徒たちの熱い信仰にも触れている。例えば、五島列島のマップにあるだけで52もの教会がある。けして人口が多いわけではないしゆとりもそうあったとは思えないこの島々でこれだけたくさんの教会が次々作られたことに改めて驚くが、それはまた、隠れた場所で密かに祈るしかなかったキリシタンたちが、時代が変わって堂々と自分たちの祈りの場を持ってよいという権利が得られるようになった喜びに駆られていたことを示しているようだ。読みやすく写真が多くて引き込まれるし、長崎の教会や遺跡の紹介を通して様々な苦難に耐えたキリシタンたちにも自然に思いをはせられるようにまとめてある。巻末には「長崎キリスト教史」「長崎で活動した主な宣教師」「一度は訪れてみたい教会」がある。
0コメント