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小説フランス革命 13 サン・キュロットの暴走 (集英社文庫)

, 佐藤 賢一

によって 佐藤 賢一
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内容紹介 ルイ16世の処刑後も出口の見えない不況に荒れる民衆。革命戦争では対フランス大同盟が築かれ、国内ではヴァンデ県での革命反対の蜂起を皮切りに内乱が拡大。内憂外患のフランスの行方は。(解説/東えりか) 内容(「BOOK」データベースより) 国王ルイ16世を断頭台に送り込み、共和政の道を歩み始めたフランス。しかし不況はとどまるところを知らず、対外戦争ではフランス包囲網が敷かれ戦況は暗転、国内ではヴァンデ県を発端に内乱が拡大する。国内外の脅威に無為無策ながら、政権を手放さないジロンド派がマラを告発したことで、マラを信奉するサン・キュロットら庶民の怒りが膨れ上がり―。民意が革命を暴走させる、第13巻。毎日出版文化賞特別賞受賞作。 商品の説明をすべて表示する
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1792年のフランスは、革命勃発当初以上に危機的状況にあった。国王を処刑してもなお、ジロンド派とジャコバン派の対立は根深く、反革命暴動も地方を跋扈。さらに、英国ピットの主導で強大な対仏大同盟が結成され、義勇兵で心を一つにしたフランス軍は苦戦・・・庶民も物価高・物資不足に困り果てる。しかしながら、本書は、そうしたマクロな描き方ではなく、相も変らぬていたらくのジロンド派のサロンと、日に日にテンションを上げるサン・キュロットを交互に描きながら、今日にフランス革命を伝える恐ろしい革命へと進んでいく姿をビビッドに描いている。そして、著者は、日本のフランス革命本ではスルーされがちなデュムーリエ騒動とマラー裁判を実に鮮やかに紹介して、そこから当時の政治の迷走っぷりを伝えている。本書が、過去に類のない、佐藤賢一版と賞される(私だけか・・・)由縁だろう。なお、私個人は、本巻でのあるくだりを、本書全体を通しても最も心を揺さぶられた場面があった。それは、ロベスピエールが独り苦悶しながら、後に1793年憲法として結実する憲法案を綴る場面。そこで彼が生み出していったのは、私達の憲法が25条で保障する生存権についてだった。財産や事業の自由を認めることから始まった革命が、ブルジョワとサンキュロットの格差を拡大していくさまを看過できないロベスピエールが、国民の生きる権利のために所有の一部は国に戻される考えを示していく。いま、憲法改正の議論を私達はしなくてはならないが、9条なんかより、よっぽど国民個々に大切で、現にその保障が揺らいでいるのに、この議論は多くはされていない。ロベスピエールの独裁は今では多くの人が認めないけれど、1793年憲法はフランス以外の多くの国にも受け継がれている。フランスだって、ジャコバンの後にも何度も過ちを繰り返しいるけれど、それでもフランス人はフランス革命の精神に戻って、正しい民主主義や国民の権利を護って来ているように思われる。私達の憲法には、押しつけと言う意見も聞かれる。私も同意だ。押しつけだから、70年経っても、生存権という理念が根付かない。憲法をつくる、憲法を護る、憲法を変える。その意味を、執筆当時どれだけ著者が思ったのか不明だが、2015年においてロベスピエールの言葉は重く感じられた。本書というかフランス革命が普遍的価値をもって、時代時代の人々に影響を与えるということだろう。

Brandon Bibliothèque Ouverte

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